長い長い旅路の果て
終着点
- 作者: 若木未生,藤田貴美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2009/02
- メディア: 単行本
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といってもだれにでもお勧めできる本って訳じゃなくて、頭の中そのまんま読んでるような本だからはじめのうちは自分の人生史上読みにくい本ランキングトップレベルだったと思う。たとえば村上春樹や古川日出男の強烈に個性的な文体は読み終わった後ふとした所で出てきちゃうことがあるけど(私だけ?)この本は考えてること全てがこの文体になっちゃう感じ。やれやれ。
行間から音楽が聞こえてくるような青春音楽小説。音楽を文章にするのはとてつもなく難しいけどこの人は本能でそれをやってのけているようだ。天才フジタニナオキの持つ泣き笑いのようなちぐはぐな衝動も、それを広い心で受け止め振り回される高岡尚も、自分の事をもてあまし気味な坂本君もみんな大好きなタイコ屋の西条も。テンブランクが実在してるかのように親しい。
刊行順ではなくて手に入った順に読んでいたから実はそれぞれのストーリーが独立してしまっている。でもその時のリアルな心情だから今まであんまり困らなかった。せっかくだから全部通しで読んでみようか。
勝手に脳内キャスティングされてたのはこんなかんじでした。
- 坂本君・・・早川大地(東京エスムジカ)
- 真崎桐哉・・・チバ ユウスケ(ミッシェル)
あと各々は秘密です(笑)
イラストは3人変わりましたが自分が読みだした羽海野チカの印象が強い。あのときはまさかあんなにハチクロでヒットするとは思わなかったよ。あと高岡君が西条のことアカネって呼び捨てだったのがちょっと違和感。あー、先生幸せになって下さい。本当に。
とにかく今は、1993年からはじまった物語が2009年まで無事走り抜けたことに感謝。