シューマンの指

読了!

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

いちおうミステリなのでたたんどく
別のとこに書くようになってからめっきり本カテゴリ使ってない・・・



読書量自体は増えてるんだけども。

音楽ミステリーというジャンルになるんだろうか?といってもミステリーにはあまり重点は置かれていない。名探偵が登場する訳でもなければ、素晴らしい複線が回収されるわけでもない。面白かった?と問われればそれなりに楽しい時間を過ごせたけれど、人にお勧めしたい?と問われればうーん・・・と首をひねってしまうような。

とにかく、シューマンという音楽家へ対する強い熱意とウンチクがメイン。途中からCDのライナーノーツを読んでいるような感覚になる事多々。これは完全な好みの問題だけど、ピアノはグレングールドだけでもう満足しちゃってるんで、こんな本でも読まない限り死ぬまで知らなかったであろうシューマンについての無駄知識が増えてそこは良かった。自分の好きなものを存分に語る人って好きだから。

あとは永嶺修人をどうとらえるかって所ですが、非常に繊細で残酷ながら魅力的ってキャラクター。好感は持てないんだけど、でもなんかそれが逆にリアルっていう。酷い所に惹かれてしまう・・・っていうそこはかとなくBLの雰囲気を醸し出しつつ。でも、まぁ嫌な奴だよねアイツ。

で、もちろん最後の手紙はあれは無し。あれは禁じ手だから、現実と虚をそこから曖昧にしちゃうのはダメ。それはどんでん返しじゃなくて物語の破綻。ソロモンの犬もそうだけど最近そういうの多いなぁ・・・それでも、ちょっと格調高めの文章と話のもっていきかた(私は永嶺修人のピアノを3回聞いたとか!)はとても読みやすく読んでる最中は楽しめたので、もうちょっとゆっくり読めば良かったかなぁという本でした。3時間で読み終えちゃうのはもったいなかったかも?でもどっかのボーカルが昔言ってたけど「音楽に対して理論武装するのはメンドクサイ」よね。ほんとに。

次はこれ読む。

エドガー・ソーテル物語

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