REDのはなし。

君が涙を流すなら 君の涙になってやる

RED【初回限定盤】(DVD付)

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急に好きになった曲というのは、ブームが去るのもはやい。俗に言う「熱しやすく冷めやすい」でもそれは、この曲REDに対しては当てはまらない。今年の6月にリリースされたB'z52枚目のシングルREDが相変わらず大好きで、なんでこんなに好きなんだろう…と金麦を片手に自問自答する日記。


後のために書き残しておくと、この曲の存在が明らかになったのは3月下旬、2月にビーズの松本孝弘さんとカープ黒田博樹さんがお食事に行ったのがきっかけで誕生→黒田投手の日本復帰でお披露目という公開前から話題性のある曲でした。登板したその夜にすぽるとで歌詞付きでドラマチックに放映され、か、カッコイイ!!!と騒然となったことを今でも鮮明に覚えてます。B'zの曲で初聴きで好きになることって実は結構珍しい。正直なところ、まだ慣れていなかったEPIC DAYのどの曲より好きかも…なんて思ってたぐらい。そして、今も11曲目としてプレイリストにちゃっかりと居る。

・・・と言いましても、そんなに野球に詳しくもなく、メジャー時代はおろかカープ時代の黒田さんについてもそんなに興味があったわけでもない私。でも復帰の際に組まれたTV番組(カープ芸人や情熱大陸やその他沢山のニュース)や新聞、ネットでの記事に触れてみると、その人がどんなに沢山の人に愛され、この場所に帰ってくることをどれだけ強く望まれていたのかを知ることになる。そして、それに応えた意思も。
メジャーから黒田投手がカープ復帰:高揚感に沸く広島 | nippon.com
そして、やっぱりなによりも大きかったのは今年私自身がようやく広島に行けた事。ちょうど2日間とも広島スタジアムでデーゲームが開催されていたこともあり、広島駅についた私と相方はその球団がどれだけ土地に根付いているか肌で知ることになる。街じゅうあげてのカープ推し・改札でた瞬間に視界が赤い・お土産屋さんの店員がみんなユニフォーム・ローソンすら赤い・もう洗脳レベルでカープカープカープ♪・・・いやはやこれほどまでとは思わなかった*1今も飲み会のネタになるぐらい。そりゃ、前田、大島、篠田と言えばカープの選手だしセンターは丸だよwwもちろん広島のライブも良かったし、最後のサプライズも嬉しかったし。そんな、外的要因はもちろんあるけれど、結局のところなんたって楽曲が良い。

とにかく、音がかっちょいい。ギターの音色も歌い方も男らしい。シンプルながら練られた曲構成が凄く良い。そして、歌詞がお題があることによって非常に巧い。こういっちゃなんだけど巧い。まぁ、こんなの一々解説するのも野暮だけど・・・

  1. 曲名のRED=広島カープのチームカラー
  2. サビの「楽はしない・偉ぶらない・誰のせいにもしない」「礼を尽くし・栄華を捨て・泥まみれにもなろう」「労を惜しまない・遠慮もしない・同情されたらおしまい」などサビの頭文字がRED(俗に言うあいうえお作文w)
  3. 歌詞に無駄がないB'z『RED』の歌詞

現状に甘んじることなく、努力を怠らず、手を抜かず・・・ストイックな歌詞は黒田投手だけでなく稲葉さんの姿も投影出来る。ただいつものB'zの歌詞とちょっと違う点をあげるとするならばそれは「絆」という単語の使い方。千切れない絆の話は長くなっちゃうのでまた今度にするけれど。音楽の迫力と言葉のチカラ、そしてタイアップの相乗効果は凄いものがあるなー。
そしてファンにはお馴染み週刊文春の連載、考えるヒットでRED。

週刊文春 2015年 7/2 号 [雑誌]

週刊文春 2015年 7/2 号 [雑誌]

今回の見出しは「サウンドは最高だけど歌詞は?のB'z 黒田さんもだんだん疲れてきちゃうかも?」ということで珍しく近田春夫氏と意見が分かれた!簡単に要約すると「球場にピッタリなアグレッシブルで洗練されたサウンドだけども世界感が厳しすぎない?」という感じ*2

これは蛇足ですが、REDだけじゃなく最近の稲葉さんの歌詞の傾向として、なんとなくですが自分自身が言われたい言葉・ファンが言って欲しい言葉を誰よりも稲葉さん自身が理解しているんじゃないかと思うことが多い*3

スッ転んだら立ち上がるよ その姿にみんながシビれるのだから(NO EXCUSE)

手が届かないような 素敵な貴方に会いたい(man of the match)

その系譜としてREDはあると思ってる。

何も特別じゃない 当たり前のことやるだけ(RED)

・・・最近のうたには覚悟を感じてみたりする。
でも近田さんの指摘もなんとなく分かる。稲葉さんの歌詞ってやたら主人公が女々しかったり、悩んでたり、いきなり「ってゆうか」とか「こしらえた」なんて言葉を使ってみたり、ロックな音楽に対してちょっとした息抜きというか遊びの部分が結構ある。そんな見た目や音楽とギャップがまた魅力のひとつなんだけど、REDに関しては近田さんはあんまりそれを感じなかったからではないかと。私としてはコレはこの曲故の世界感だと思ってるし*4↑に上げたあいうえお作文とか「時計の針」のクラップが時計の秒針を彷彿したりするところに遊び心や自由さを感じたりするのでその違いじゃなかろうかと。・・・尋常じゃない気配の歌唱っていうのは大いに頷けますがw


同じ曲を聞いて、ひとりは窮屈さを感じ、ひとりは自由を感じる。
やっぱり音楽というのは面白いもんだな。

*1:褒めてますwただ、私も地元に球団を持つものとして、それでもここまでとは思ってなかったのよ。

*2:詳しくは原文見てね

*3:特にEPIC DAYの曲に対して。

*4:このままずっと男気!セイッな方向に行くとは思えないし