「only two」の言葉の意味は

引き続いてWOWOWの雑感。

リハーサルから密着
密着というわけで、ツアーに同行という意味では本当に一緒に。約半月に渡るアメリカツアー7公演を移動も含めてのドキュメンタリー。バス、飛行機、車での移動中も含めてなので1時間半程度の割に凄く移動してる感のある番組だったと思います*1。といっても、インタビュアーの方がそんなにB'zに興味があるようには思えない様子だったので密度となると高くはない。ツアー自体も長期ツアーのように変化してゆくほど公演数があるわけではなく、、まぁ、アメリカでも日本でもやってることは同じだからね。終わった後にわざわざアメリカ人をインタビューするのはどちら側の意図なのか気になるところではあるけれど。

やはりドキュメンタリーとして比較しちゃうのは20周年の時の密着、NHKスペシャル。あれとは全く方向性が違ったので、ああいう番組求めてコレを見ると拍子抜けするだろうなーというカンジ。Nスペはやっぱりタイトルの「メガヒットの秘密」を独自の視点というか「何故B'zは売れるのか?」という柱があってこその理由付けのドキュメントで、見る側が納得できるタイプのだったと思うんだけど、今回はあくまでみたものを淡々と出すよ・・・という、そもそもの位置づけが違う。それこそ合宿でもしないと、松本さんがキレたり稲葉さんが玉虫キャッチするシーンは撮れませんわ。


ONとOFF
驚いたのは前だったらもうちょっと作り込んでるだろうなーというシーンが割とラフに出てたこと。オープニングギリギリでもカメラに許可を出せると言うのは心の余裕なのかなーと思いました。ずっとカメラがまわってることによって、始まる前のややナイーブになってる緊張感ある顔つきと終わった後の緩んだ顔の落差が一目瞭然。とりわけサンフランシスコが顕著かな、松本さんとのカット割りも良い。そして何度も書いてる気がするけど、始まる前のちょっと緊張した稲葉さんの鋭い目つきがたまらない!*2逆にキレイなB'zばかりを追い求めているとあわないかも。

ぼっち飯
コレはね、ついに5年越しで解けた!
というのも、あれは・・・遠い・・遠い夏、2008年の静岡ACTION。
ツアーも終盤に差しかかりネタが苦しくなっていた名物トーク「小さな幸せ」*3

稲「昨日の夜にウナギのお重を食べたんですが、なんとウナギの下にウ・ナ・ギが!(超嬉しそう)」
松「昨日の夜にね、皆でご飯食べに行ったんだけどね、なんかバンドもスタッフもすげー上手く行ってて俺幸せだなぁって」
稲「持つべきものは仲間ですね!」


私「・・・・・・・・?」

という会話があったわけですよ。
それが、ここに繋がっていたのかと思うと・・・感慨深い*4この絶妙な距離感、べったりしてないけど尊重してる間柄こそがB'zがB'zである理由のひとつ。そして、隠すものがないのは強いわん。

好きなシーン
この番組で一番好きな場面はトロントからワシントンへ向かう空港へ2人が並んで入るところ。
大袈裟に言ってしまえば、あの映像に全てが集約されているように感じました。


・・・次点で誕生日ケーキを食べる前に何故か一旦お皿へフォークを置く稲葉さん。

構成
むりやりねじ込んでくるB'zの曲にひとりイントロドンしてたので初回観賞時の印象はあんまり良くないw3回目ぐらいから慣れてどうでも良くなった。インタビューの内容が「名前の由来は?」「血液型は」なんていうお粗末ありきたりな質問ばかりだったのでB'zのふたりと一緒に「またそれかよ」と内心思ったファンの方が多いと思うwデビューから数え切れないほど名前の由来聞かれるB'zとアニバーサリーごとにそれを繰り返し聞かされる我々・・・*5。つまり、松本さんの「収入」に関する考えを聞き出せたNHKの聞く力に改めて感心。
こういった映像モノというのは見せたいものと見せたくないものを他人が線引できるものだけど、そういう意味では今までに無いぐらいフラットな番組なのかも(ナレーションが無いのも影響していると思う)「たゆまぬ努力と向上心」「音楽に対して真摯に真面目に取り組む姿勢」は外さずにそれなりにエンジョイしながら、今日も日々活動。あとは、ひとつでも「お!」という発言、もしくはフルで流れた曲が違ったら*6印象も違ったのではないのかと。
ただ同行してインタビューじゃなくて、もうちょっと深みがあれば・・・例えばMAGICの特典DVDみたいなスマートさがあれば・・・

only two
WOWOWとしてたどり着いた言葉はOnly Two。
でもやっぱり私は15周年の時、稲葉さんが松本さんに対して言った「One and Only」の方が愛着がある。
これ以上の言葉は見つからないと思う。

まとめ
濃いファンの方には賛否ありそうな感じでしたが、外の人が見たB'zの姿として個人的にはこれはこれでアリ。

B'z LIVE-GYM 2006“MONSTER'S GARAGE” [DVD]

B'z LIVE-GYM 2006“MONSTER'S GARAGE” [DVD]

なんとなーく、これのOFF LIMITSが近い*7かな。こういったドキュメンタリーって意外にも時間がたってから見ると面白いので。(余談だけど、↑のオフリミも今見返すと演出の面で相当苦労してるのが垣間見れて面白い)これもそんな風になるのかなーと思います。B'zサイド提供のオフショットやNHKのドキュメンタリーと何が違うのかと問われれば、たぶん「愛」。作り手の愛情みたいなものがちょっと希薄だったので、こんな風になったんでは、と。*8もちろん愛情があればあるだけ良いものになると言うわけでもありませんが。。
ここまでがーっと書いてきましたが、今年は特にその状況や立場によって違う感想を持つだろうなぁと思います*9。来年は今年より多くの人がその楽しみに参加出来ると思うので、そのあたりも色々取材して頂いて、このまま情熱大陸やプロフェッショナル、Music Loversなんぞにガンガン出てくれるとファンとしては超嬉しいです。

*1:でもツアー中なんて・リハ・ライブ・打ち上げ・移動のルーチンなんだからそこに面白味を求めるのも難しいだろうなぁ。

*2:ビーパ20年DVDでACTIONのホール公演の時に袖からステージへ出ていくシーンがあるんだけど、その背中が本当に好き。なんか闘いにいくような気合いを感じるのだ。

*3:サポメン含めたメンバーがそれぞれ最近あったちいさな幸せを発表してゆくコーナー

*4:もちろん社交性とかそういうレベルの低い話じゃなくて、その時間は稲葉さんにとって必要迫られ、そして自ら望んでいることだろうし、それを尊重し守ってる松本さんって凄いなぁと純粋に思う。

*5:コンセプトとテーマは禁句ですわw稲葉さんの持ちネタの松本孝弘血液型変更話は聞けたけどステージから落ちた話は聞けなかったね!

*6:やっぱりファンとしては今年しか聞けない曲を選んで欲しい・・・Brighter Dayとか

*7:始まりが松本さんの稲葉観で始まるあたり被ってるしwこれのB'zの部分だけ抜き出したカンジ

*8:ビーパはじめとするB'zの映像はもちろんのことNHKの制作サイドにも相当愛を感じる。B'zから離れ一人になる時って題名からしてもう!

*9:私はアメリカこそいかなかったものの今年は結構恵まれてた訳で