打ちのめされるようなすごい本
ロシア語の通訳・エッセイストの米原万里さんの書評。
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/10
- メディア: 単行本
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まず、本を読む前に「打ちのめされる」その厚みに驚き、巻末の書名一覧に読んだ本の種類の豊富さと深さに。
で、読んですぐ「打ちのめされる」少なくとも私は、自分のあまりの無知と無関心っぷりと政治や世界情勢に対する知識の無さに打ちひしがれた。ちょうど911の後だったこともあって小泉政権やアメリカのテロに対する報復が書評のあいだを見え隠れする。一時期、〜の品格とかそういう本が流行ったけれど、教養というのは自然と滲み出てくるものなんだと痛感する。
その後、紹介されていた本を何作か読んで忘れたころに再読、そこでさらに「打ちのめされる」今度は生きようとする精神。癌が進行するなかチョイスする本の種類に。それでも本を読み続ける姿勢に。
という感じで何度読み返しても違う角度から打ちのめされる本。読みごたえはあるのに、あくまでエッセイだからいきなり読み始めてもいいし、いきなり読み終えても良い。特に前半の生活の中の一部として読書が調和している姿が羨ましかった記憶がある。書評でありながらその辺の本より面白い、良書。
今日、ほんまでっかTVを見てて、そういえばこの池田先生って米原万里の本でよく出てた人?とふと思い、探したらやっぱり池田先生だった。「秀逸にしてお茶目な比喩」あぁ、ようやく繋がった。彼女やナンシー関が生きていたら何を言うだろう?と最近良く思う。