犬はどこだ?
dog's life
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/02/29
- メディア: 文庫
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要約すると宮部みゆきの火車のクレジットカードをそのまんまインターネットというテーマで書いたよってところか。ラストは確かにスッキリだけど、もっとドッキリさせてほしかった。2つの事件の重なりはそんなに斬新ではなく、というか折角の一人称なんだからもっと対称的な性格とか語り口にすればよかったのに。反転ネタバレ→被害者と加害者の立場が入れ替わるってのはそれなりに面白かったんだけど・・・チャットの相手が実は真犯人!とかね。私の読みが浅いのかもしれないけれど、なんか場当たり的に話が進んでる気がする
でもこうやって、無意識に迂闊に情報を出すことの怖さってリアルだよなぁ。ツイッターなんてまさにだし。「電車遅延」「駅前のコンビニが潰れた」「隣の家は青い屋根」だけでも。探そうと思えば一枚の風景でだって割り出せるし、mixiのコミニュニティとかログイン履歴もそう。最後の意味深な終わり方といい、ミステリーよりホラーっぽいのかも。
おそらく、最後まで主人公に共感できなかったから苦手なんだろうな、珍しく2回も途中で離脱しちゃったし。
主人公ずっとこんな感じなんだもん↓
まだお若いのに疲れて 世界を全部見てきたよに
リタイアするのもけっこう渋いと呟いて 半端な同情買うのだけはやめよう
そろそろ「このミステリーが凄いっ!」て唸るようなものが読みたいデス。