週刊文春とB'z

週刊文春買ってきました。お目当ては近田春夫の考えるヒット。
最近文庫化されてないような気がするんですが、なんででしょう?

考えるヒット (文春文庫)

考えるヒット (文春文庫)

うちのは4巻で止まっちゃってるけどはまぞう見ると6巻まで出てるじゃないか!

おそらく日本の音楽評論で最も作詞家、稲葉浩志を高く評価している近田春夫氏。なにが凄いってその辺のファンサイトよりもよっぽど深く、かつわかりやすい文章。こういったライターさんのお仕事の文章って別に名前変えれば使いまわせるんじゃね?的なのが多いのですが、この人はちゃんとお金払って読む価値がある珍しい(というか私にとっては唯一の)文章。

今回はもちろん「イチブトゼンブ」詳細は雑誌の方で読んでいただくとして、何が書いてあるか分かんないからまるで新譜の再生ボタンを押すようなドキドキ感、コレが味わえる文章は本当に稀だなぁ。どっかのテニスの人みたいにB'zなら何でも大絶賛って訳じゃないからこそ信頼できる。現に近田さんのB'z評論で一番好きなのは「さまよえる蒼い弾丸」のどちらかというと酷評のやつです。膝を打つっていう言葉がまさにピッタリ。

今回の評論も凄いね。ダテじゃないね。
ざっとまとめるとこんな感じに。

それが新しさに繋がるのかはまだ微妙なところだが、今までにないものを作ろうとしているのは確かだろう。

そう!まさにそうなの!と週刊文春を電車の中で読みながらニヤけそうになる20代女子。

ひとつの歌詞の中に重層的にテーマを〜(中略)〜きちんと見渡せる世界を堪能できる

最後のまとめなんてもう拍手もの。こんな文章力あったら楽しいだろうな。
近田さん、B'zだけで丸々一冊本出しませんか?もしくは一緒に飲みに行きたい。

稲葉さんの歌詞は子供が生まれたあたりから安定してきちゃった感はあるにしても、20年間根本的な部分はあんまり変わっていない。*1筋が通っていて常に弱者の味方であくまで個人の枠からはみ出ない。だから聞いていて苦しくならない。
どこで発言していたか覚えていないんだけど「夢を持つことは素敵な事です でも夢を持たない事が素敵じゃないのかと言えばそうじゃない」って言ってた時があって私自身、とても救われた言葉だったからとてもよく覚えてるんですが、それはDIVE*2の「理想を目指すのはもちろんステキです ユメなど見つからない・・・それもありっちゃあり」に繋がった訳ね。コレは国大出て教育免許まで取ったのに渋谷でフリーターしてた人が言うから説得力がある。説得力があっても押しつけがましくはない。そうか、結論を聴き手にゆだねるからか。
こういう二者択一な考え方が嫌いなのとかって絶対稲葉さんの影響だけど、多感な中学生の時から毎日飽きもせず繰り返し聞いてるわけだからそりゃある意味洗脳されてんのもしょうがないよなーと思う今日この頃。私がファンになったころって歌詞解釈サイトみたいなのが沢山あったのに、今はそのサイトの大半が無くなっちゃってるんだよね・・・淋しい限り。
今回の連載を見て、もうちょっと歌詞についても頭使って考えないとな〜と己を省みました。前は歌詞カードみながら1曲1曲時間をかけて向き合っていたのに、いつのまにかLIVE-GYMの方が中心になっていって楽曲をおざなりにしていたような気が・・・はじめの頃の愛し抜けるポイントは間違いなくB'zの「音楽」だったはずなのに。

手始めにCDコンポの中を嵐のベストからイチブトゼンブにこっそり変えた。

*1:女性観とか社会観は変わったけど。生き方については

*2:でもDIVEは歌詞なんて何でもいいんだよ系だと思う。深く考えずに感じろというか・・・