イヌメシ界隈

プレミアム・ナチュラル・オーガニック・人間用食材・ノーグレイン・・・・美辞麗句と綺麗なパッケージの新鮮そうな食材の写真ををそのまま素直に全て信じることが出来れば悩むことなんか全然ないのに、疑い始めりゃキリがない。そんなイヌメシ話。

割と前のニュースですがちょろりと引用。

イギリスのノッティンガム大学で、ペットフードに含まれる動物性たんぱく質のDNA鑑定を行い、含まれている肉の種類が、牛、鶏、豚、馬のうちのどれなのかを調べたというレポートが公表されました。

メジャーなドッグフード10種類と、キャットフード7種類のDNA鑑定を実施。合計17種類のうち、14種類でラベルの記載とは違う肉を含んでいたことが分かった。

ヒルズ プリスクリプション・ダイエット原材料:トリ肉、トウモロコシ、セルロースコーングルテンミール、植物性油脂
検査結果→チキンの表示があるが、含まれていなかった。
調査:ペットフードに含まれる肉類とラベル表示について [ペットフード事件簿]

ドッグフード事情というのは、知れば知るほど学べば学ぶほど迷うように出来ている*1。右に「色々な素材から満遍なく栄養を摂取した方が良いですよ」と言う人が居れば左に「犬の胃はそんなに多種の消化に向いてないからシンプルにした方が良いですよ」と言う人がいる。西に「犬にはドッグフードだけ与えるのが一番ですよ」という人が居れば東に「ドッグフードなんて毒ですよ手作りですよ」という人が居る。手作りにチャレンジしたところで「生が一番BARFじゃ!」「いやいや全部煮込んで水分たっぷりで毒素を出すんだ」「水分多いと胃酸が薄まる」「馬肉サイコー!」「穀物必要」「穀物イラネ」「フードは混ぜよう」「混ぜると危険」「そもそもイヌメシなんて残飯でいいんじゃ」エトセトラエトセトラ…

産地だ飼料だとこだわりを突き詰めてゆくと価格は跳ねあがり*2、もう田舎でウズラ農園でも開いた方がいいような気分にすらなってくる。けれどウズラを養殖しながら捌きたてのウズラを犬に与えることが人生の至高なのかと言えばもちろんそんな訳もなく、結局のところ誰もがどこかで折り合いを付けなければならない。サマージャンボでも当たれば話は別だけどw

誰しもお金を払って買っていた愛犬・愛猫のご飯が実は体に害だった!と知ったら「じゃ?どうすりゃいいの?」となるしお高いフードに乗り換えたところで味にうるさいわんにゃんが一口も食べないんだったらそっちの方が問題で。たかがイヌメシされどイヌメシ…インターネットで検索すればいくらでもマニアックな情報が出てきて情報過多。木を見て森を見ず、パッケージ裏を見て犬を見ず。「〜らしい」「みたい」に振り回されちゃ犬も大変だけど口コミも馬鹿に出来ない。そして、情報をアップデートしていかないと昨日の常識が今日の非常識になったりする。

有名どころのブランドでも、あんなにCMガンガン出してるメーカーが↑な感じだし、同じようなAとかYとかのフード出してるメーカーの床に並べられたビーグルの写真を見れば買う気も無くなるし、緑のフチの袋のRさんはBHAだし(まだ買いてあるだけ良心的か)都合の悪いところは敢えて(としか見えない)言わず嘘は言ってないだろうけどミスリードを誘っていたオーガニックなブランドもあって、勝手に自分でフード作って名前使って本社から訴えられた会社もある*3。結局のところ企業の姿勢や体質、輸入ものだとそれに代理店も加わって、小売店の選び方も必要*4
ナチュラルキッチンとビッグウッドの件は色々な意味で酷過ぎて呆れる。国産メーカーしっかりしてくれよ。

そんな訳であんなにたくさん選択肢がある!と思っていたイヌメシも蓋を開けてみると残るフードはそんなに多くはない。犬は機械じゃないから1匹1匹が違う。食べ物だけじゃなく訓練もトリミングも病気も、もしかしたらなんだってそうなのかもしれないけれど、答えが無いからこそ難しいし面白いんだろうな。嗜好性と相性と価格のバランスを取りながら、結局は自分で判断基準と見極める目を養っていくしかないという大変普通な結論が出てきたところでイヌメシ話おわり。

*1:ここまで極端な例はあんまりないけれどw

*2:キロ4000円クラスも見かけるようになってきた

*3:&脱税のオマケ付き

*4:個人的には不必要に不安感を煽るようなところは避けてる。あと信頼とか好みもあるよね単純に。