空の中 海の底

空の中 (角川文庫)

海辺で謎の生命体を拾った天涯孤独の男子高校生＆幼馴染の淡い恋。自衛隊の女性パイロット＆喰えない男若手技術者のツンデレ模様。ETとかそういう系統、予想以上にSF。

海の底 (角川文庫)

横須賀に人食いザリガニが襲来。潜水艦に逃げ込んだ海上自衛官２人と子供たち。艦内で起こる子供同士の対立。並行する機動隊と自衛隊とアメリカ軍の思惑。パニック映画のバディもの。

いわゆる自衛隊３部作。厚みはそれなりにあるのだけれど、サクサクとまるでマンガ本のような読みやすさ。３冊読んで分かったのは有川浩はひとつの嘘を守るのがとても巧い。こういう設定が特殊なフィクションはひとつの嘘を大切にして、ルールにしないといくらでも都合よく話を作れてしまう。その世界のなかではあくまで嘘を付き通さないと面白くないし一気に崩壊してしまう。それがとても巧い。好き嫌いは分かれそうだけど、ベタなんだけど嫌いじゃないんだよなーエンターテイメントはこうでなければ!ちなみに1番好きなのは塩の街。