塩の街
俺が先かあいつが先か。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/01/23
- メディア: 文庫
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割と好みが分かれるというか、ハマる人はハマるだろうなーという感じ。有川浩お得意の女子受けする男、ムチャクチャ強くて優しくて格好良い秋庭さんにキュンキュンしちゃった私はドツボでした*1。暴漢に襲われているところを偶然通りがかり、助けてくれたあげく身寄りの無いことを知って家で保護してくれるなんてなんちゅー包容力!しかもそれが雲隠れ中の空自のエースだなんてラノベかよっ!←
細かいところにひっかからず、純粋に物語を追っていけばそれはそれは楽しいエンタメ小説。最初の谷田部くんの掴みからがっちり、映画だったら*2一番メインになりそうな突撃も激しくあっさりとしてたのも潔く、後半の「その後」がなくても良いぐらい作品として完結してる。それにしても、デビュー作ながら今の作風を荒削りながらそのまま濃縮したような印象で本質っていうのは人間変わらないものなんだなーとしみじみ…って無名の素人がこんな作品送ってきたらビビるわ!
今年は有川浩さんの作品に触れることが多かったので、あとがきの「この人たちが私を作家にしてくれた。」という文章に私からも彼らに感謝したくなりました。登場人物を親子に替えると状況的にはコーマック・マッカーシーのThe Road*3に近いのだろうけれど、この胸キュンラブコメ仕様は非常にジャパンらしくて良いと思います。本嫌いの学生さんとかに読んで欲しい。
*1:久々に休憩入れずに読了!
*3: