光待つ場所へ

とても素敵な3つのおはなし。

光待つ場所へ

光待つ場所へ

全ての人間がそれぞれの主人公でそこに至る経緯があることを教えてくれる。
臆病な自尊心と尊大な羞恥心に心当たりのある自意識過剰気味なワタシにピッタリ。




ネタバレですよ。

辻村深月の本を読んでいてなんとなく思いだすのは、教科書に載っていた山月記を初めて読んだ時のこと。「うぉう李徴オマエってやつは・・・」に似たような「あ゛ー!」感を感じるわけです。あの夜布団に入って「あ゛ー!」なキブン。今回も思う存分そのなんとも言えない気分に浸れました。
色々な作品から登場人物が出ているスピンオフ作品。途中まで全然気が付かなかった*1のですが、物語としては全部読んでなくても大丈夫な独立したストーリーだったので一安心!どれも甲乙つけがたいけど、スロウハイツ&凍りのくじらラヴなのでやっぱりチハラトーコと樹氷の街かなー。でも「しあわせのこみち」もグラスハートっぽくて良い。才能と劣等感。まぁ私はそういった芸術科目がさっぱりだったので分かるような分かったフリのような・・・でも飲み会でのすごくその場が愛おしくなる気持ちと同時に凄く孤独を感じる瞬間はなんとなく理解できるわん。最近は記憶が無いことが多いんだけどネ!

で、やっぱりこの本の醍醐味というのは過去の作品のキャラクター*2との再会。環うまくやってるみたいだね!とか郁也大きくなったねー理帆子相変わらずだわ―なんて思うのはこのヒトの本だけなんだ。伊坂幸太郎も黒澤さんとかがリンクしてるけど、黒澤キター!とは思っても黒澤久しぶりだねぇとまでは思わない*3

読んでなくても読めるけど、読んでいた方が絶対面白いサービス精神溢れる一冊でした。

世の中のカルチャーのおよそ全てはサービス精神でできていると俺は思うわけ。サービス精神ってのは言い換えれば愛だよ。

冷たい校舎の時は止まるはまだ未読なので次読む。楽しみ。

Parklife

Parklife

ふいにブラーが出てきたので唯一もってるこのアルバムを流しながら。

*1:これを機に全部読むか!

*2:と呼べるほど遠くない

*3:それはたぶん各人の弱い部分を見てるからなんだろうけど