偶然の祝福
わたしはこれほど素朴で寛容な人間の父親が戦争に参加するところを想像しようとしたが失敗し、ミチオが銃を持っているところを想像しようとしてふたたび失敗した。しかし戦争というものは人間の想像力の限界を斟酌しない。
ミチオとわたしが銃身ごしににらみあうかわりに友達になれたのは、ただたんにタイミングと状況の偶然性、たった一世代の違いの結果にすぎなかった。
- 作者: リン・スクーラー,永井淳
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本
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アラスカのガイドであり星野道夫の盟友リン・スクーラー氏の著作から。
en2の千秋楽でバンドメンバーに胴上げされそうになって微笑む稲葉さんを見たとき*1、グラミー賞授賞式で喜びのあまり思わずハグするラリーさんと松本さんを見たとき。ふと、この言葉を思い出した。
これは本に呼ばれたのかも知れない。