旅する力

長い長いあとがき。

旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)

旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)

沢木耕太郎深夜特急は中学時代に出会ってからずっと私のバイブルでごわす。

そんな(文庫で)全6巻の深夜特急の最終便。著者沢木耕太郎があの旅で何を考え、どう書いたのか。旅をすることの意味とは何なのかを問うた本。なんといってもこのシリーズ、新潮文庫で出てよかったなぁと思うのです。かの有名なサッカンドルの北方急行を表紙に使った装丁といい、ジーンズのポケットに入ってしまいそうな薄さといい、文春文庫のようにきれいすぎる紙質でもなく、ほど良くくたっとして、そして何と言ってもこのしおり。これがね、雰囲気が出て良いなと思います。
なんか前に見たことがある感じがしたら

coyote(コヨーテ)No.8 特集・沢木耕太郎「深夜特急ノート」旅がはじまる時

coyote(コヨーテ)No.8 特集・沢木耕太郎「深夜特急ノート」旅がはじまる時

で既に読んでいた部分も多かった。あと、小林秀雄沢木耕太郎が繋がったのが嬉しい発見。
旅には出るべきタイミングがある、旅は自分の背丈を知る事が出来る、旅は楽しい、しかし困難や危険もいっぱいある。そういう客観性を保ちながら、旅立つ人に贈る

恐れずに。
しかし、気をつけて。

という気の利いたセリフに、旅へ出る前の若き著者が100ドル札を選別で渡されたようなヤラレター感を味わうのです。
それにしても「猿岩石は消えると思うよ」には笑った。有吉しぶといなー!