犬は幸せになったのか?

今日はまじめな犬の話。

日本人が現在の様な血統書を持った犬と暮らし始めたのはまだほんの数十年の話。その間に犬は番犬から家族へとなり、庭先からリビングへと住処を替えました。一部のマニアだけだった畜犬談義はいつのまにか会話の定番となり、既に15才未満の子供の数よりも犬の数の方が多い世の中となっています。

犬は幸せになったのか?

前々からずっと気になっていることです。犬用の保険があり、犬用の服があり、犬のバースデーケーキが売りだされるなか。犬の流通という面においては正直良くなっているとは思えないから。今なお毎年8万もの犬が殺処分されているから。

ペットショップの子犬は可愛い。でも本来なら2ヶ月は母犬と暮らさなければならない子犬が「小さい方が売れるから」という理由で1ヶ月足らずで競りにかけられて店頭に並ぶ。環境に順応できない社会化不足の犬はほかの犬に攻撃的になったり過剰に臆病になったりする。人間でいえば保育園とか幼稚園の子供が毎日一人ぼっちで夜も蛍光灯で照らされた箱にいる、変にならない方がおかしい。

子犬の母犬はどこにいるのか?何百匹もの犬が散歩も行かず太陽の光も浴びず名前すらなくただひたすら繁殖に用いられる、産めなくなったら保健所で殺処分。ブロイラーのように生産される子犬・パピーミルで一生を過ごす親犬。犬はただ生産される家畜なのか。

手軽に買えるようになった犬。ネットで誰とも会話せずにクリックで買える犬、ブランドバックのようにおねだりされることを見越して12時過ぎまで営業する繁華街のペットショップ。毎週違う会場でずらりと並んだダンボールに入れられ「大セール」と投げ売りされる犬。

スピッツがブームといえば揃ってスピッツを飼い、血統を考えない乱繁殖により神経質な犬が多く生まれ、結果「あの犬は良く吠える」とレッテルを貼られる。気が付けば流行遅れの犬たちは町から姿を消す。次はどの犬種がこの悲しきブームの標的になるのか。

犬は喋れないから人を信じるしかない。「可愛くて良い子なかなかいないですよ運命ですよ」と子犬を抱かせてくれるペットショップのバイトのお姉さんには犬1匹あたりのマージンが入る。売り物にならないほど大きくなったビーグルを冷蔵庫に入れておいて指示する社員。この子はショーに出せると言ったブリーダーの子犬はみんな先天性の障害持ちで短命、でもまだ子犬を産ませる。犬とのふれあいパークでは倒産後放置された犬が餓死。どれも本当の話。

あなたは何を想う?

8月27日まで環境省で「動物の取り扱い業適正化」に関するパブリックコメントを募集してます。パブリックコメントっていうとなんだか難しそうですが、要はあなたの意見のこと。書くのがちょっとめんどくさいけど、このチャンスは5年に1度、前回は業者側の反発が大きく見送りになりました。今回もそうなるかもしれません。でも、やらないよりはマシでしょう。ってここまで書いといてなんだけど、イトイさんがまとめてたw
ほぼ日刊イトイ新聞 - 犬と猫と人間のはなし。
ただの犬飼いだけど、この現状は変えたい。

環境省_動物取扱業の適正化について(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)



参考書籍:

ばっちゃん 助けられた繁殖犬たち

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犬を殺すのは誰か ペット流通の闇

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ずっと犬が飼いたかった

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それでも人を愛する犬

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殺処分ゼロ―先駆者・熊本市動物愛護センターの軌跡

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