阪急電車

小さな幸せ

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

面白かった!軽めで口当たり良い文章。ほんわかした余韻が残ります。
電車の中で起きる、ささやかな人と人の繋がりを群像的に書いたオムニバス?出てくる登場人物がみんなまっすぐに生きていて、なんだかちょっと前向きな気分になれるようなそんな作品。

それにしても有川さんの書く出会いって本当にラブコメみたいな乙女の妄想なんだけど、それが「ありえないよー」じゃなくて「あったらいいな」みたいに感じられるところが良い。えっちゃんの彼氏とツバメの巣の駅員さんが私の癒しです。
毎日同じ電車に乗っていると、「このヒトは次の駅で降りる」とか「このお姉さんは優先席絶対座らない」とかそういうのが自然と分かってくるんだけど(都会の電車は違うのかも知れない)名前も年齢も知らない人がそういうちょっとした連帯意識を持てるのは電車という空間だからなんだろうな。

ちょうど半分のページ数で折り返し地点になるあたり、作者の几帳面さに感心です。