シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々

見知らぬ人に冷たくするな、変装した天使かもしれないから

シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々

シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々

身を隠すためカナダからパリへ逃げてきた新聞記者、お金もないしアテもない。そんな彼が雨宿りの為に駆け込んだのはパリのど真中、ノートルダム大聖堂近くセーヌ川沿いにある書店(というか新古書店)。天井まで本で埋め尽くされ、古く、中にはベッドもある(しかしシャワーはない)、店員はみんな住人・・・・そこはフランス・パリにある書店シェイクスピア&カンパニー(二代目)。1日1冊本を読み、店の手伝いをする物書き志望であれば*1、ベッドと時間、場合によってはお茶や食事が与えられる不思議な書店。

様々な国の色々な訳ありが出会いと別れを繰り返すユートピア。詩人やチャラ男や作家志望、留学学生に新入りに古株、何よりケチで新しいもの好きで理想化で大雑把で太っ腹な店主のジョージ。登場人物は流動的で滞在期間も人それぞれ。この設定を見るとまるでおとぎ話のようなストーリーだけど、そんな書店が実在するんだからやっぱり世界は面白い。またひとつ行きたい場所が増えてしまった。赤の他人だった人が時間を経るたびに親しみを持てるようになり、残りページが少なくなるほどには終わってほしくないなーと率直に思える素敵な読書。ジョージにこの本読んでどう思ったか聞いてみたい!

基本貧乏話なのでサンドイッチとコーヒーが飲みたくなる。
最後はもちろんノンアルコールビールを飲みながらサイモンに乾杯。


本がぎっしり!フランスって地震ないの?
・・・あと蛇足だけど、これ読んだ日本人は必ず(少なくともパリでは)ヴィトンを買わなくなると思う。


素敵な本と出会える休日は幸福。

*1:店主の滞在許可を得るには自分の自伝を書かないといけない