戦場に行く犬

戦場に行く犬: アメリカの軍用犬とハンドラーの絆

戦場に行く犬: アメリカの軍用犬とハンドラーの絆

ビンラディン作戦の突入にイヌが使われたことは世界中の愛犬家に大きなインパクトを与えた。これだけ科学の進歩した現代において、戦場の最前線に犬。

今までその存在は多くを語られることはなかった*1理由はわかりやすく明快で、それは彼らが装備であると同時に軍事機密でもあるから。そんな部分にスポットライトを当てたのが本書。犬の入手方法、訓練、ハンドラーとのマッチング、実際に戦場へ派遣され行う活動、アメリカの軍用犬の置かれた立場なんかにも触れる。よく言えば読みやすく、悪く言えば広く浅く現代のアメリカ軍犬事情が書かれている。あくまで体験ではなく内部の人から得た「情報」なので、現場より少し距離を感じる点が少々惜しいところ。
この分野においてもやはり陽性強化に傾いてるのねーと時代を感じてみたり、最高の仕事だと語るハンドラーたちの自負心とともに戦地へ行く犬たちにはやはり命の危険はつきもの。「使役犬」と「家庭犬」はうまく気持ちの区別をしないとこちらがやりきれないと思ってみる。


隊の先頭であるウォーキングポイント、一番危険なその場所で、いくつもの命を背負って働く無邪気な犬達に幸あれ。

*1:

世界の軍用犬の物語

世界の軍用犬の物語

資料としてはこっちの方が詳しい。