ソウルメイト

犬は人生の全てではない。だが、人生を完全なものにする。

ソウルメイト

ソウルメイト

孤独な定年男性とチワワ、いじめられっ子の少年と母親の再婚相手が連れてきたボルゾイ津波で母親を亡くした男と警戒区域で生きる柴犬、人間から虐待され心を閉ざしたコーギー、恋のキューピットとなったシェパード、ペットショップで衝動買いされ手に持てあまし気味のジャックラッセルテリア、そして、病気と闘うバーニーズマウンテンドッグ。

犬と人間のおはなし。犬種に対し若干ステレオタイプなストーリーなのは否めない、それでもいまだステレオタイプな犬の悲劇はこの国に溢れていて、きっと今日もどこかで起きている。問題は我々犬飼いが、どうしたらそういう意識の低い層・興味の無い層に訴えていけるかという点で、そのためにも馳さんには犬飼い作家としてこれからもこういう話を書き続けて欲しい。本を手にとって表紙を眺めただけで涙が出てきそうだったのに、内容ははそんなに泣きを押してこなくて良かった>泣ける系の本が苦手な人(泣いちゃって駄目なんじゃなくてどんどん冷めちゃう方)マージとワルテルに捧げられた本書。今その家庭にはソーラとアイセがいるんだと思ったらなんだか切なくはなるけどね。

ソウルメイトと呼べる犬に出会えた人は幸せ、そんな人に飼われた犬も幸せ。犬のように争いを回避しながらひたすらポジティブに今を生きれたらどんなにいいことだろう。