カネのハナシをしよう

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

プライドでメシは食えません

なんだかそこかしこで話題になっているので。 こういうジャンルの自己啓発系の本はその時のノリで買わないと読まないと思うのでえいやっと思い切って本屋さんで購入。やっぱり文庫になれた身からすると若干高い。 でも(一応)働いてるんだから投資と思い出費。

と、題名に漏れず金額の話から始めましたがこの本はまるまるお金の話。
この本は小学生あたりから読めるようにルビまで丁寧に振ってあって「カネの話って下品なの?」とか「カネを稼ぐことは自由になること」とかのストレートな金の話がひたすら続いていく本です。 でも、それってとても大事なことだと思うのです。 カネの話一つで時に苦しい話を、楽しい話を、みじめな話を、悔しい話を惜しげもなく話してくれる著者は優しい大人で話がうまい人なんだろうな。

今から思うと学生時代は「魂とカネの距離」を自分ではかるための時間だったのではないかなぁ。それって人によって全然違うし人に聞いてわかるものじゃないし、教えてもらうもんでもないし(っていうか教えてくれないし)簡単にいえば価値観みたいなものなんだけど、個人の経験から蓄積していくものなのだと思います。各々がこの本を読んで自分のカネ観と向き合うきっかけになればいいなぁと思いました。

とにかく言葉がストレートで濁りのない純度の高いものになっているので頭に入ってきやすく読みやすい本だったと思います。 なぁなぁではなくシビアに仕事を考える際、おかねの事は切っても切れない縁なのです。そして仕事とは生きることなのです。ただ、内容に対して同じぐらいの価値があったかどうかはちょいと疑問、期待し過ぎのせいか肩すかし感があったのも事実。

読んでいるときにずーっと何かに似てる感覚を持っていたのですが、もやもやの正体はコレ

胸懐

胸懐

この人の体験した子供の頃の貧乏生活も本当に凄い。

指折り数えて待ちわびたオンエアの当日、姉と二人でラジカセを用意して準備万端整えていると、裏庭に人の気配がする。耳を澄ませて様子をうかがうと、いきなり家中の電気が消えてしまった。電気代の支払いが滞っていたらしく、ついに電気を落とされたのだ。
(中略)
姉と二人暗闇の中で怒り狂っている間にも6時は近づいてくる。家中の引き出しや、電化製品をひっくり返して、買った日付もバラバラ、残りの容量もバラバラの電池をかきあつめて、なんとかラジカセだけ使えるようにした。

小さな子供が暗闇の中で必死に電池を探している姿を想像するだけで胸がきゅっとなる。この本もとてもストレートな本なので、読んで以来TVなどでGLAYを見ると「大きくなったなぁ」とおばあちゃんのような気持になります。そうかTAKUROも優しい大人だもんね。