ラオスにいったい何があるというんですか?

村上春樹による国内外の旅エッセイ。
アメリカ、アジア、ヨーロッパ、熊本、どこにいてもこの人は飄々とランニングをしながら音楽と美食を愛し淡々と1日1日を生活をしている。
小説のように次へ次へとぐいぐいひっぱる馬力はないのに、軟水のようにすらすらと入ってくる文章は変らず。おおよそがごく普通の紀行文なのに最後の締めが時々ハッとするぐらいカッコイイのも相変わらず。内容的に今までの紀行文に比べ随分とお上品だわと思ったらなるほど飛行機のファーストクラス向けの寄稿でしたか。
私にとって村上春樹の魅力はただ文章を追う楽しみや心地よさ。でも、それって読書の根本的な快感だと思う。