追憶のACTION


ACTIONのことを文字にするのはむずかしい。
というのも2008年に行われたあのツアーは思い入れがあまりにも強い。自分にとっても大きな意味があったし、いろんな場所にも行った、家でセットリストの速報がくることさえ毎回楽しみだった5年前のLIVE-GYM。それは、とても長く、魅力的で、変化に富んだ20年という節目の年のアルバムツアー。

幸運なことと言うべきか、残念なことと言うべきか、ここのブログのはじまりは2009年からなので2008年の日記は載っていません。が、アナログな記録は残っている。ノートに書かれた記憶。それらの断片を集めながら、ちょっと昔に想いを馳せてみましょうかね・・・という大変個人的な日記。

ACTION

ACTION

そもそもACTIONはどういうアルバムだったのだろう?
と歌詞カードを開けば、題名通りACTION=行動に移すという歌詞が目につく。

僕は今こそ変わらなくちゃいけない(純情ACTION)

半歩でも進めるなら 景色は少しづつ変わってゆく(光芒)

それぞれ一歩前に ふみださなきゃはじまらない(オレとオマエの新しい季節)

不安を感じる暇も無いぐらい腕を磨けという一心不乱もそうだし、自分の道をもがきながら進む姿こそがパーフェクトなライフと説くパーフェクトライフも。テーマやコンセプトは意識していなくとも、同じ人から出る言葉、自然と調和は取れてゆく。

B’Zミラクルクロニクル 1988-2008

B’Zミラクルクロニクル 1988-2008

制作時の発言を追えば、なかなかの難産だったようで作ったものを一旦すべて白紙に戻して作った作品だったらしい。それまでの20年に渡る活動の中でも珍しいできごと。

松本「初めて。ちょっとショックだったもん。で、帰ってきて落ち込んじゃってさ。で、昼間(稲葉が)ウチに来てお茶飲んで、打ち合わせして。“どうするべか、これから?”って(笑)」
稲葉「“まーずいな、こりゃ”みたいな」
(中略)
‐そういう松本さんを稲葉さんはどんなふうに見てたんですか?
稲葉「まぁ、他人事じゃないんで(苦笑)」
松本「そっちも当事者ですからね(笑)」

そうやって作られたアルバムを引っ提げて、1月の末から8月中旬、北海道から沖縄まで全国53公演。約43万人の動員。ACTIONがどんなツアーだったのか、それはこの43万通りの答えがあると思う。
本人たちにとってはどうなのか、MAGICのパンフで稲葉さんがちょこっと語っていた。

稲「(略)ACTIONツアーからまた動き始めて。体も軽いなと思いながらやっていたら体重も凄く落ちてたんですよ。ACTIONは凄く動けるな、と。実際、あの「光芒」の時とかはほとんど死にそうだったんですけど。」
‐ラストでね?
稲「あそこだけ見ると全然もう倒れそうな感じだったんですけど、自分の体の感じ方としては通して軽くて動けてるなと思いましたね。でもキツかったな「光芒」。


そして、私にとっては。

今思い返すと、自分の中でB'zに対する熱が最も高かった年。ある意味この5年前のLIVEに今も引っ張られている感じもする。そんなACTIONだけど、意外にも正直初めの印象はあまり良くなかったw
アリーナ序盤、埼玉スーパーアリーナでの私の感想。

「イナバコーシがカッコイイ(だけ)のツアー。どうすんだよ。」

B'zの流れがまだ出来てなかったこと、自分の心の準備が整ってなかったこと、色々な要因があると思うんだけどその理由のひとつとして上げられるのはサービスモニターの不使用。こんなに立派なうねうね動くモニターがあるのにも関わらず、HOMETOWN〜のほんのちょっとでしか映像が出ない。それが不満だった。そう、大いに不満だった。振りかえればACTIONは人の力を使ってる部分が多くて(演出面的にも)音楽に重点を置くLIVEだったと思うのだけど、初めのうちは見せたいモノがハッキリと伝わる訳じゃないから*1そこのすれ違いは大きかったように思う。そして、LIVEの良し悪しは席だけが全てではないけれど、その後もアリーナ50列を越えるとなかなか厳しいな・・・ということが多かったように感じました。つまり、この映像化によって近くの美味しいカメラワークで改めて見直して、やっとこさ納得できた部分もあり*2

で、その後のACTION。変わっていった。私が変わったのか、彼らが変わったのか、両方変わったのかはわからないけれど。何が変わったのか今もわからない。これはジンクスみたいなものですが、LIVEというのは回数を重ねれば重ねただけ良いモノになる確率が高いと思っていて、このACTIONなんかはそれこそ、まさに*3。流動的なセットリストチェンジだけではなく、音楽としてLIVEとしての流れや質がどんどん上がっていったように感じられました。はやい話、参加するごとに愛着が増していったんだよね。最後の参加になったエコパではこのツアーにもう参加できないことが、寂しくて寂しくてしょうがなかった。

私がACTIONを見る事が出来たのは2008年の2月から。結果として3月、4月、5月、6月、8月と季節が変わりゆくなか見続けて、7月だけはどうやってもチケットが手に入らなかった。だから、この7月6日の公演を映像で見るとあれから5年経ってようやくパズルのピースが埋まったようなふしぎな気持ちになるのです。

そんなACTIONの個人的な思い出。・・・ずいぶん壮大になっちゃったねw*4

*1:勘の良いヒトはすぐ気が付くのだろうけど

*2:もちろん全部見たいものが映ってる訳でもナイ

*3:むしろこれからかも

*4:映像の感想はまた別の機会に