ミリオンズ

ミリオンズ

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どんな出来事も聖人に結び付けて考える聖人ヲタクの弟ダミアン、資産運用と不動産要はお金大好きな兄貴アンソニー。二人のもとへ空から降ってきた22万9370ポンド入りのカバン、まもなくポンドはユーロに移行しこのままでは大金はただの紙くずになってしまう。

と簡単に説明するとこんなストーリー、児童書扱いなのかな?字が大きかった割には読むのに時間がかかったかも。ファンタジーチックな内容なのにリアリティを失ってないのはちゃんと細部が妙にリアルだからだろうか?子供だから家も車も買えないしね。

私は俗世間慣れしてしまった大人なので、ダミアンのあまりに純粋な善行を求める姿に若干イライラハラハラしたり(たぶん一人称だったからなんだろうけど)でもお金だけじゃなにも手に入らないんだよとか、正しさは見る角度によって変わるんだよとか、作者の言いたいことが2人の少年を通して変化球で伝わってくるようなお話。うーん、これはやっぱり映画で見た方が面白いだろうな。

改めてびっくりしたのは読むきっかけとなった小川洋子の紹介文の良さ、やっぱり美しい文を書く人だ。こちらに収録↓

博士の本棚 (新潮文庫)

博士の本棚 (新潮文庫)