行間を旅する深夜の旅行者

100万円の現金だけ持って、行き先も目的もなくぶらっと旅にでたよ。って本。

PRIVATE WORLD

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旅行記が好きなもんでこういった系統の本は何冊も持ってるのに懲りずに購入。よくある深夜特急的なアジアの本なんだけど、それらとの大きな違いはこの人、絵が描ける人なんです。

思っていたよりも分厚い本でコラージュで本が成り立ってる。いわゆる旅行記とは全然違ってノートに書いてある日記(しかも殴り書きw)を解読するように読む。トラベラーズノートとかモールスキンをごっちゃごっちゃ埋めるのが快感な人は読んでいて楽しいと思う。
内容は簡潔で「○月○日どこどこでだらだらした。〜食ってフリスビーした。みんな良い人だ。」みたいな感じなんだけど絵が良いのよ〜同じようにアジアで人の写真を撮ってた小林記晴の写真にはちょっと暗さみたいなものがあるんだけど、この人の絵はみんなしゃんとお澄まししてるか笑ってるかのどっちかなんだ。ネパールとチベットが特に良い。こういう旅をしているひとがインドで一様に穴にはまるのはなぜなんだろう?インドマジック?でも誰よりも旅を楽しんでいて満たされているのが伝わってきてなんだか幸せのおすそ分けをもらった気分。自由に生きる2年間。
人徳なのか素直さのおかげか人への感謝を忘れないからか彼の周りにはたくさんの人やってきては去ってゆく。題名の通りとてもプライベートな旅をのぞき見できるアートな一冊。
アジアを旅して人生が変わった!考え方が変わった!なんて簡単にいう奴は胡散臭くて見てらんないから、ただぶらっと行って友達たくさん作って絵を描いて帰ってきたよ。っていうこういう押しつけがましさのないところがいいのかも。本当にそれだけの本だもん。
やっぱり些細なことでも書き記すのは大事だな。うん。