未来を写した子どもたち
インド発のドキュメンタリー映画
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インドという国に行ったことはないのですが、なんだか凄い国なんだろうと思う。
ちょうど読み終えた深夜特急だったりその他の本でもやたら強烈で混沌としていてめちゃくちゃな国・・・のようなイメージがある。*1そんな混沌としたインドをとても分かりやすく視覚化したのがこの映画。
売春窟に住む8人の子供達と彼らに写真を教える一人のフリーの女性カメラマン。
子供たちの置かれた環境は平和な日本で暮らしている私にとっては別世界の出来事のようにすら思える。朝の4時から水を汲み、お父さんが仕事もせずにヤク中だったり、お母さんが殺されたりするのが別段珍しくともない。10ルピーのお金がなくて子守りを頼むこともできず、親が子供に強い口調で穀潰し!と怒鳴りつける。売春窟に生まれたら売春窟で生きるしかないのか?そんな状況を変えようと一人孤軍奮闘するザナ・ブリスキー。
序盤はちょっとヘビーなので失敗したかなぁとも思ったのですがちゃんと希望の持てるドキュメンタリーに仕上がってて、かと言ってただの単純にハッピーエンド感動ドキュメンタリーでもなくて丁寧に状況を伝えて視聴者に考えさせようとする良い映画でした。
こういったドキュメンタリー系でありがちな失敗は「あぁーかわいそうだねー学校に行けるなんて幸せだねーインドに生まれなくて良かったねー」的なその場限りでの関心なんだろうけれど、この映画はTVのチャンネルを変えた瞬間に消えてしまうものではなく、写真を撮るということに多少でも興味のある人だったらファインダーを覗いてシャッターをきる瞬間になにか今までと違う感情が混じる感じ。少なくとも私は今まで以上に1枚の重みを考えてみたり。
子供って大人が考えている以上に物事をよくわかっていて自分で考えているんだよなぁと改めて思い知った。でも動物園や海へ行って年相応にはしゃいでいる姿は逆に切なくもある。子供が周りに甘えられない環境は辛い。特典では成長した彼らを見る事が出来てなんだか感慨深いものが。
それにしてもアカデミー賞をとってもこの扱い・・・道徳の時間にお勉強で見るのではなくて地上波のTVでこそやるべき映画なのに。もちろん、こういう状況はきっと世界中であってこの映画の舞台カルカッタでも1本違う道に入れば同じ状況の子供たちがいるのは分かり切ったことだけど、そういう状況と闘い続けている人がいる事を知ると同じように何かと闘っている人も勇気づけられると思うんだけどな。
- 作者: Zana Briski,Children of Calcutta
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↓インドイメージ各種
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*1:さすがにこの年になってカレーってイメージだけではない。