読んだ。

スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

池澤夏樹ってこんなに村上春樹風味だったっけ?と思いながら。佐々井にデジャヴを感じながらそれが鼠と気付いた時のなんだかスッキリしたような、よけいにモヤっとしたような。あれ、金持ちはぼくなのか?いやいや、それとも?なやれやれ。掴みどころが無いのに読んでいて楽しい。読むという行為自体が心地よい、文字を追うことに身をゆだねる快楽。
空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)

町の運送屋さんの二代目社長を軸に一つの歯車(というかハブ)がズレて追いつめられる市民VS腐った大企業。
一難去ってまた一難、捨てる神あれば拾う神あり。銀行・警察・被害者相手に孤軍奮闘…それでも決してひとりじゃない。シンプルに改善懲悪な痛快企業サスペンス。「おぬしも悪よのぅ…」なんて悪代官は過去の話じゃなくてきっと今も現役で、それはそこを一歩出てしまえば全く意味のない派閥も、それに伴う保身も。誠意ってヤツはいざというピンチの時に分るものかもしれない。